2015年9月14日月曜日

齋藤孝『原稿用紙10枚を書く力』だいわ文庫、2007。



 日々文章がうまくなりたいと思っているわけですが、なかなか上達しないというのが実情です。書いては消し、書いては消しを繰り返し、結局一日に数行程度しか進まないということもよくあります。何とかならないかなと思いながら、一方で、ブログや、あるいはツイッターならば一瞬で書けるわけで、この差は何なんだろうと思ったりするわけです。

 原稿用紙10枚、ちょうどいい文量だと思います。原稿用紙1枚が400字だと思いますので、4000字。ワードのデフォルトのページだと、3ページぐらい書けば4000字になるのではないでしょうか。このぐらいの文量を、ブログやツイッターを書く感じで書けるようになりたい。

 いやいや、量よりも質が大事だと言うかもしれません。しかし本書によれば、むしろ量をこなすという目標から入ることで、徐々に質が伴ってくるのだと言われています。確かに、毎日とにかく量をこなすことによって、だんだんと書くスピードも速くなるでしょうし、こう書けばいいのだという型も分かってくるように思います。文章がうまくなりたいのならば、とにかくたくさん書くことだ、というのは一理ありそうです。

 たくさん書く、さらには質のいい文章を書けるようになる練習として、3つのキーワードを抽出し、その上でそれらをつなぐ論理を考えてまとめるというのも、面白い方法だと思いました。昔、自動書記のようなことを遊びというか練習でやっていて、とにかく適当に書いた一行目からはじめて、連想を広げて好きなことを書いてみるということをしていました。これだと、キーワードが1つしかないので、本当にどうなるか分からない。けれども、3つのキーワードを最初に思い浮かべて、それらをつなぐ論理を考えていけば、かなり安定的にいろいろなことを書ける気がします。

 なんにせよ、人のことは言えませんが、文章を書くというのはとても難しいことです。にもかかわらず、文章自体は誰でも書いたことがあるわけで、書けるわけです。多くの人は、それを特殊な能力だと思っていないような気がします。文章の書けない人のいかに多いことか。。。訓練することがとても大事なのだと思います。

 誰でも走ることはできますが、100メートルを9秒で走ることはほとんどの人にはできません。おそらく文章を書くということも、いい文章を書くことは、ほとんどの人にはできないことだろうと思います。そして重要なことは、ここでいう「いい文章」というのは、ノーベル文学賞を取るレベルのことではなく、原稿用紙10枚を書くレベルのことなのではないかと思った次第でした。